一般概念


揚  程

 ポンプが出さなければならない吐出圧力をいいます。正確にはポンプ仕様上、必要条件を満足する所定のポンプで出し得る液柱を言い、その液柱はポンプの吐出圧力に匹敵するものであります。通常定量ポンプの
場合、ヘッドは圧力(Kg/平方cm又はPsig)の単位で表現され、渦巻ポンプの場合には液柱(cm又はfeet)で表します。

(注)液柱フィートを圧力Psigに換算する場合、液比重を忘れずに考慮すること。

 ◎Psi = 液柱(フィート)*比重/2.31

  kg/平方cm = ヘッド(m)*比重/10

 ◎液柱(フィート) = Psi*2.31/比重

   m = 10*圧力(kg/立方cm)/比重

 古典的な定義は F/Aです。

   F=重量
   A=面積

 ここで問題になるのは、圧力単位として、いろいろな表現単位で表されている圧力を必要に応じた圧力単位に換算することであります。

圧力
単位
大気圧 水柱
(feet)
Inch Hg
(”Hg)
Kg/平方cm mmHg Psi
大気圧 33.9 29.9 1.03 760 14.7
水 柱
(feet)
0.029 0.883 0.030 22.4 0.433
インチHg
(”Hg)
0.033 1.133 0.034 25.4 0.49
Kg/平方cm 0.968 32.8 28.9 736 14.2
mmHg 0.00131 0.0446 0.0394 0.00136 0.0193
Psi 0.0680 231 2.04 0.0703 51.7


絶対圧力

 14.7Psiの圧力は我々がよく知っているとおり、海面における大気圧を表しています。大気圏外のある地点では、大気は薄くなり、圧力計の読みで0Psiに近づきます。
 0Psiが即ち絶対真空であり、絶対圧力は絶対真空を基準にしており、Psiaとして、表現されます。
又、絶対圧力はゲージ圧+14.7Psiとなります。即ち、圧力計の読みでは、圧力は単に大気圧に相対して与えられたものであり、絶対圧力は圧力計の読みと大気圧の和です。言いかえると圧力は絶対真空に対するものです。

大気圧

 地球を取り巻いている空気や大気で、その圧力は地球に近づくにつれて大きな圧力となります。海面で14.7Psiの圧力が、いわゆる大気圧と呼ばれています。通常ヘッドと単独に表現された場合、それは全吐出揚程を意味しています。

摩擦揚程

 配管付属品を含めた管路内を流動する液体によって起こる摩擦損失に打ち勝つために必要な揚程又は圧力を言います。摩擦揚程は渦巻きポンプの用途に多く使用され、液柱(feet)又は圧力(Psi又は
Kg/平方cm)で表されます。
 ギヤーポンプの場合によく言われる配管ロス、配管摩擦ロス、差圧(△P)等が、この場合、摩擦揚程に匹敵しています。

静揚程

 液体が流動してない場合に於けるポンプ出入口での圧力又は液柱を言います。静揚程は垂直高さの差であり、液柱(feet)又はその相当馬力(Psi)で表されます。

全揚程

 ポンプの吐出揚程と、吸込揚程の総和(合計)を言います。差圧と同意味に用いられ液柱(feet)又は圧力(Psi)で表されます。

速度揚程

 液体内の任意の点の運動エネルギーを言います。ギヤーポンプの場合はあまり問題になりませんが
低粘度の液体や、NPSHavの余裕を考慮するような時には、重要な事項になります。渦巻ポンプで水処理の場合に多く使用されます。単位は液柱(feet)、(m) 又は圧力(Psi)(kg/平方cm)で表されます。
 従って大気圧は海面上よりの高さによって変わってきます。
又、大気圧は水銀柱単位でも表現され、天気予報などにしばしば用いられる通り大気圧14.7Psiは水銀柱では29.93inHgに匹敵しています。

気  圧

 気圧計で測定された圧力で大気圧と同じです。気圧計は水銀柱で表示されます。海面上での水銀柱は30inHGです。
 海抜、大気圧、気圧の関係を表示すると次の通りです。

海抜 海抜 大気圧 大気圧 気圧 気圧
(m) (feet) (kg/立方cm) (Psi) mmHg inHg
1.03 14.7 760 29.929
304.8 1,000 0.99 14.2 730 28.8
609.6 2,000 0.96 13.6 708 27.8
914.4 3,000 0.92 13.1 679 26.7
1219.2 4,000 0.89 12.6 653 25.7
1524 5,000 0.85 12.1 627 24.7
1828.8 6,000 0.82 11.7 605 23.8
2133.6 7,000 0.79 11.2 582 22.9
2438.4 8,000 0.76 10.8 561 22.1
2743.2 9,000 0.73 10.4 538 21.2
3048 10,000 0.70 10.0 518 20.4

差  圧

 一般的に吐出圧力と吸入圧力との差を言いPsi(又はKg/平方cm)で表されます。絶対圧とゲージ圧の差は差圧とは何等、関係のないものであり、流動する液体のポンプを中心にして対象する2点の圧力差を言うものです。

ゲージ圧

 大気圧を0Psiとして基準にした圧力の強さであり、液体の移送をする様な用途に多く用いられる圧力単位です。表示はPsig(又はkg/平方cmG)です。
圧力の大部分はGage Pressureを示す。

 例)
  ボイラーに取り付けたブルドン管の圧力計が10kg/平方cmを示し、大気圧が1.02kg/平方cmの場合の絶対圧力は11.02Kg/平方cmと言うことになる。
  又、真空計は大気圧を0とした負の圧力を示す。

水  圧

 原理上の意味は液体、特に水の運動に関する圧力であり、一般的には圧力下において、液体の運動による力の移動をいいます。液体の位置、高さ、又はポンプのいずれかにより、液体で出し得る圧が普通、水圧と呼ばれています。水圧はポンプ効率を計算するためにも用いられます。

 理論馬力 = 圧力*水量/係数

仕様設計圧力

 液体が流動する、全ての配管、バルブ、タンク等を総括したプラント設計上の圧力を言います。液送用途の場合、ポンプ吸入側は大気圧下にあるプラント設計を普通オープンシステムといい、大気圧下にない条件のものをクローズドシステムと呼んでいます。クローズドシステムの代表的な例としてはLP−ガス、アンモニア等、高揮発性液を取扱う場合です。この様な液をポンプ処理する場合は、たとえ、稼働状態にない場合でも、容器内の液圧を考慮した仕様設計圧力を設定する必要があります。従って、ポンプについても、ポンプケーシングの強度、ガスケット締付力、パッキング、Oリング等に特別な考慮を払う必要があります。
 同時にメカニカルシール、スラストベアリング等にも異常な荷重がかかりますので、それに適した設計上の考慮が必要になってきます。